『いってらっしゃい!って言う何気ない一言が、僕にはなんだか人一倍しみるんです。』
移住してから、なんだかんだお仕事で東京に帰るときがある。東京駅。新幹線から降り立ったとき、いつも感じる、ドアが開くと同時に全身にまとわりつく生ぬるい風。あの風を受けると、東京に帰ってきたなー。って思う。でも、その生ぬるい風に対して、なんだか物足りなさを感じる。
仕事を終えて、新花巻駅のホームに帰ってくると、新幹線で温まった体が一気に冷える。これ!これ!やっぱり芯から冷えるってこれだよなー。ってなんだか嬉しくなる(笑)
最近のこと。東京の地元の駅に降りたとき、駅はガラッと変わっていた。その光景がなんとなく寂しかった。考えてみれば20数年前、祖母に手を引かれて歩いた僕のふるさとは、便利に形を変えていた。なんだか、浦島太郎になった気分。言い過ぎかな?(笑)
幼いときの記憶はわずかに残っていて、記憶をたどれば、駅前の駐輪場。駅前にあったケンタッキーのスパイシーな香り。
幼いときの出来事って、意外に残ってるものだなぁー。
めっちゃ笑ってる(笑)
髪サラサラ(笑)
ようするに、駅ってきっとその街の発展の象徴とか?暮らしになければいけないものかもしれない。
でも、僕が住んでいる大迫町には駅がない。
大迫町の最寄り駅となると、お隣の町、石鳥谷駅になる。そこまで行くのに徒歩1時間30分?or2時間30分?それがリアルな数字。「不便な町じゃん。」とか思うかもしれない。確かに、お世辞にも便利とは言えないかもしれない。
でも、この町には、どっか懐かしくて、あたたかい人がたくさんいる。
「駅がなくてもいいじゃん!」という思いにさせてくれるたくさんの人が、ここにはいる。
なんか、みんな笑顔なんですよねー。
職場でも、毎日必ず1度は心の底から笑い。笑いすぎて涙が出るときもある(安心してください。仕事してますよ!ww)
「東京へ出張して、大迫をPRしてきまーす!」と僕が職場で宣言すると、
「いってらっしゃい!」と言われる。普段通り交わされる普通の会話。
でも、僕は「またここに帰ってこないと!」という感情になるし、東京に行ったときの出来事を職場の皆さんに話したくなる。
東京の実家から岩手に帰るときも、当たり前かもしれないけど、「いってらっしゃい!」と家族から言われる。“いってらっしゃい!”と言ってもらえる贅沢って、ひとつじゃなくて、いくつあってもいいんだよね。きっと僕は「いってらっしゃい!」って言ってもらえる人を増やしたいのかもしれない。だから僕も言いたくなる。
「いってらっしゃい!」と言ってもらえる幸せ。言える幸せ。
(かんた)