【いちのせきフェア2017!】〜一関に行ってきました!前編〜
11月27日(月)〜12月2日(土)の1週間、トレジオンでは岩手県の最南端一関市の食材とお酒を集めた”いちのせきフェア2017″を開催します!!
先日一関市市役所職員の菅原さん、阿部さんにアテンドしていただき、スタッフの”まさや”が一関市の美味しくて素敵な場所にお邪魔してきました!訪れた中で見つけた素敵な食材や一関の事を2回に分けてご紹介します!
目次
1漬物(やまあい工房/大東町)
2菜種油(工房地あぶら/大東町)
3原木しいたけ(俺のしいたけ団地・源流/大東町)
4矢越かぶ(ひこばえ食工房・室根町矢越)
後編はこちらからご覧いただけます!
1漬物(やまあい工房)
清らかな川の源流と北上高地に連なる山々の懐の、ポッカリ拓けた場所にある「京津畑(きょうつはた)」集落。
そこには旧京津畑小学校という小さな小学校があり、子どもの教育の場として長年地域を支えてきました。しかし、高齢化や過疎化に伴い、2006年に閉校。場所だけが残ったこの学校を2011年に宿泊施設を兼ね備えた集会施設としてリノベーションし、「京津畑交流館 山がっこ」がオープン。現在では食事と宿泊をする場を提供するなど、集落活性化の拠点とした活動を行っています。
旧京津畑小学校の面影が残っています。
やまあい工房の玄関に飾ってある看板。
そんな「山がっこ」を支えているのが、40代~80代の集落のお母さん達。みなさん、とても元気で、
この日も朝からお弁当作りや昼ごはんの仕込みをしている最中でした。
今日の献立など聞いていると、お母さん達からエネルギーを感じました。
そのエネルギーはどこから湧いてくるのかとても気になりお話を伺った所、
「元々は会社員だったが退職してから、学校の従業員をしていたところ、伊藤さんに誘われここで働く事になり。お客さんはもちろん仲間と一緒に活動していると元気が湧く。交流の場があるのがうれしい」
とのことでした。
切り口は「食」ですが、このように外部との交流の場をもつことで地域の活性化につながっているようです!
私もそこで提供しているお弁当をいただきました!
この日の献立は「やまあい秋の摘み草弁当」。
9種類のおばんざい+まんがんばっと+ごんぼっぱ餅をいただきました。
(説明を加える)
やまあい秋の摘み草弁当!彩り豊かで、豪華です!
今日の献立
どこから食べていいのか迷ってしまうくらい綺麗なお弁当。。味は塩っ辛くなくて、優しい味つけで、教室の窓から見える京津畑の秋の自然の景色を眺めながら食べるお昼ご飯は最高でした!
季節によって四季折々の食材を使用した献立を考えていて、他の季節にも訪れたくなりました!
毎年、この時期には食の文化祭というイベントも開催されます。なんでも、地域のお母さんたちが手作りしたごはんを振る舞っていただけるのだとか。(ほんとに無料らしいです!)
そこには、京津畑に住む人の数よりも多くの人が訪れるみたいで、地域の魅力を伝える一つの恒例行事になっているそうです!
こういった交流の場をもつのもやはり、京津畑の人々を元気にするエネルギー源なのだと感じます。
初めは、こんな山奥になにがあるの!?と思いましたが、
そこには地域を盛り上げようとしている地元の人が共に働き、突然訪れた私を出迎えてくれる暖かい場所がありました。
▶HP:https://www.kyoutuhata.com/
▶京津畑で取れた山菜を、地域のお母さん達が漬けた「漬物」の購入はコチラ!
https://www.kyoutuhata.com/blank-2
▶また「山がっこ」は宿としても利用可です!情報はコチラ!
https://www.kyoutuhata.com/the-rooms
▶住所:大東町中川字上ノ山5-2 (74-4888)
2.菜種油(工房地あぶら)
『山がっこ』と同じく大東町でも人里離れた山間地に、なたね油を製造している「工房地あぶら」があります。今回は、昔ながらの方法でなたね油を製造している、小野寺伸吾さんを尋ねました。
そもそも「なたね」とは、菜の花の種で「菜種」。なたねは種皮が黒色、中身が黄色となっています。
菜種油の多くは、化学溶剤であるヘキサンを使って抽出する方法が一般的ですが、この製造方法は製造過程が長く、酸化しやすく、栄養素が破壊され、トランス脂肪酸が生成されやすい方法で、身体に悪い影響を及ぼすものとされています。
しかし、小野寺さんの油は圧搾法。つまり化学溶剤を使わない昔ながらの方法で製造をおこなっています!
身体にとっても安心な「なたね油」を提供し続けています。
製造過程も見学させていただきました。
まずは、菜種を焙煎。
焙煎した菜種は焙煎香がでて、植物種の青臭い感じが消えるそうです。
こちらのドリルのような金属を使って、先程の焙煎した菜種を圧搾します。
その結果でてくるのが、、、、
なたね油なのです!
また圧搾法では油粕(かす)がでます。
50年以上前に生産され使われ続けてきた機械。
年季が入っています。
油粕は、原料が種100%ですので、化学薬品が一切入っていない純正100%の有機肥料として使え、 庭園・田畑や野菜・果物等の農作物栽培の肥料はもちろん、家畜の試料としても利用することができます。これも化学薬品を一切使わない圧搾法ならではの、産物といえます。
2回転ほど圧縮をかけ、中の油をほとんどしぼりとられた菜種(酒粕)は有機肥料として利用可能!
こういった方法での菜種油の生産は、作物を育て、種を回収、油を獲得し、粕が植物が育つための肥料となる。といったふうな自然の循環を生み出しており、非常に重要な役割を担っているといえます。
さらに、菜種は国産のものを100%使用。国産の菜種油の自給率は0.1%以下と言われていますので、工房地あぶらは数少ない農家の一つなのです。
油農家さんは全国でも数が多くはなく、小野寺さんもこれを次の世代に引き継いでいくのが仕事だと話してくれました。
油粕のとりわけ作業
工房地あぶらの小野寺伸吾さん。
とても素敵な方でした!
工房地あぶらの完成品。「まごどさ」
できあがったパッケージをみせていただいたのですが、きれい!
今度また新しいものに変えるみたいなので、注目です!
▶生産者:小野寺伸吾さん
▶HP「工房地あぶら」: http://www.koubouziabura.jp/
▶小野寺伸吾さん昔ながらの圧搾法で製造した「なたね油」の購入はコチラ!
http://www.koubouziabura.jp/product-list/1
▶住所:大東町渋民字和田沢117-1
3.原木しいたけ(俺のしいたけ団地・源流)
工房地あぶらから車で約20分。同じく大東地区の山中で訪れたのは、菊池俊秋さんの農園。
菊池さんが生産しているのは「原木しいたけ」です。これは人工的な環境で栽培してできた菌床(きんしょう)しいたけとは違い、菌を原木にうちこんで自然の力を最大限に活かして栽培しています。もちろん原木椎茸は育てるのも菌床しいたけに比べて手間がかかるのですが、その分、肉厚さ・味・色・風味・香りどれをとっても優れています。
とても大きなハウスの中で、温度や湿度を管理し原木を育てています。
これらのたくさんの原木に別の菌が侵入しないように、一本一本大切に育てています。
そんな菊池さんの原木シイタケですが、ここでは、6年前の震災の影響で今まで育てていた原木が全滅しました。原木椎茸は管理がとても難しいといいます。季節や時間によって変化する外気温の中で、ハウス内の温度や湿度をしいたけの育ちやすい環境に保たなければならないのです。それらの管理を怠ってしまうと、しいたけ菌以外の菌が侵入してしまい、一度おこってしまうともうその原木はだめになってしまいます。ですので、自然災害など起きたらひとたまりもありません。原木から売りに出せるサイズの椎茸を作るのには、やはり長い年月がかかるため、菊池さんもそれを耐えて作ってきたのだといいます。
震災後6年の歳月をかけて今年やっと「再生してきた」と言えるほどのものに育ってきました。
6年かけてこのサイズ・肉厚の原木しいたけができました。
この木を育てるのがとても大変なのです。
こだわりの食べ方は炭火で焼いて塩をふるだけ。
バターが好きな方もいますが、それだとバター味になってしまうので、おいしい素材はそのまま楽しむ!
それが菊池さんの食べ方です!
原木しいたけの炭火焼き!焼き場にしいたけ独特のいい香りがします!
菊池さんの思いを聞くと、「自分の商品が品評会などにだされたり、飲食店でお客さんにだしてもらっても、もちろんうれしいが、やっぱり来てもらってここで食べてもらいたい。」とのこと。
「おいしいものは、それが育ってきた環境で食べるのが一番うまい!だから今度はここ(農園)に七輪置いてだれでもしいたけをとってすぐ食べれる用にしようと思ってる」と仰っていました。
素敵な笑顔の菊池俊秋さん!取材ありがとうございました!
今回の一ノ関フェアでも炭火焼きで提供する予定ですので、まずはお店で食べていただいて。そして好きになった人にはぜひ、菊池さんのしいたけ農園に行っていただきたいです!!
▶生産者:菊池俊秋さん
▶お取り寄せの電話番号:(確認中)
▶住所:大東町大原字城戸29
4矢越かぶ(ひこばえ食工房)
突然ですが、野菜の「かぶ」と言われてどういうものを想像しますか?
おそらくこういったものかと思います。
googleでの「かぶ」の写真検索より
しかし今回紹介する「矢越かぶ」は一味違います!
こちらです!
矢越かぶは元々一関市室根町矢越地区で作られていた黄かぶでしたが、他の農作物もたくさん出てくる中で、生産が途絶えてしまっていました。平成6年に地域みんなで町おこしを考えていて、その際に町の象徴となるようなものを探していたそうです。そんなときに宮城県気仙沼市大島でたまたま、矢越かぶを見つけたそうです。調べてみるとどうやら昔に矢越地区から大島へ伝わっていたそうで、その子孫がまだ大島で残り続けていたのです。
そういった伝統があるものを見つけ、矢越地区で新たに地域おこしのきっかけとして矢越かぶを再生しました。
大島と一関はこんなに近い!自動車で2時間程。
広い東北の中でも交流しやすいといえます。
今回訪れたのは小野寺寛さん。日暮れ前だったのですぐに農園に連れて行って頂きました!
小野寺さんの農園をみせてもらい、なんと近くにあった矢越かぶを一本土から抜いてもってきてくれました!
葉がとても大きく、根本が紫色になっているのが特徴!
矢越かぶは抜いたときはまったく黄色くなく、むしろ普通のかぶと変わらないのですが、
蒸したり、加熱処理を加えることで、その色が黄色くなっていくのです!
「ふかしたあとの写真」
味はかぶよりも甘みが強く、食感はかぶのしゃきしゃき感がありとても美味しいです!
さてさて、気仙沼市の大島からかぶをもらってきた話しには続きがあります。
震災後に大島で被害が大きく、大島での矢越かぶの栽培が途絶えてしまったのです。しかし、今度は矢越地区で育てていた矢越かぶの種を大島に分け与えたらしく、それが今でも大島の矢越かぶ栽培を支えているそうです。
海と山の全く別の地域ですが、同じ作物を育てている同士助け合いながら継続して岩手の矢越かぶを栽培しています。そんな2つの地域の想いがこもった、この矢越かぶをぜひ食べにきてほしいです。
▶生産者:小野寺寛さん
▶住所:岩手県一関市室根町矢越字二本木182
▶TEL:0191-64-3671
矢越に興味がある方はぜひこちらの電話番号にご連絡下さい!
一関にはもちろんたくさんの観光名所がありますが、今回訪れたのは、地元の人でもなかなか訪れないようなまさに秘境のような場所。そこには暖かく迎えてくれる人がたくさんいて、そこで残り続けている文化・伝統を守り続けるために活動していました。私みたいな外の人に対しても、本当に優しくしてくださって、また帰りたい場所になりました!
後編はコチラ!
いちのせきフェアの詳細!
11月27日(月)〜12月2日(土)の1週間、トレジオンでは岩手県の最南端一関市の食材とお酒を集めた”いちのせきフェア”を開催します!!
最終日である、12月2日(土)には、「いちのせきをまるごと食す会2017in赤坂見附」を開催!
一関市から一関を知り尽くした市の職員の方が!
いちのせきの美味しいコースとお酒を堪能しながら、語り合いましょう。
素敵ないちのせきの食べ物が当たる、ビンゴ大会も開催予定。
各回限定25名様なので、ご予約はお早めに!皆様のご参加をお待ちしております!
要予約:お電話(03-6277-8839) もしくはメール(tregionbal@gmail.com)でご予約ください!