2018.03.15
花巻ぶどう日記
海を見つめて思うこと
あの日から7年の月日が流れて、僕は岩手にいるけど、2011年当時、まさか自分が岩手に移住するとは思ってなくて、だから2018年3月11日は岩手県釜石市にいたんだと思う。
僕が初めて岩手県の沿岸に来たのは釜石市だった。訪れたのは2011年9月で、あたりは信じられないほど、人がいなくて、町はなくなっていた。
でも、2年後、僕はその釜石市でサンタクロースになって、プレゼントを配る。そんなボランティアをしていた時、ある女子高校生2人組に会った。会ったという表現より、たまたま道を歩いていて、僕はプレゼントを渡した。
「ありがとうございます!!」
ってその2人は笑顔を見せた。
その去り際に、
「ようやくクリスマスっぽくなってきたね」
って彼女らは会話してた。
それを聞いて、僕は涙が出そうだった。
2011年9月に初めて釜石市を歩いた時は人が住める状況ではなかったし、日本がどうにかなっちゃう…。そんな恐怖すら感じていた。でも、女子高校生が話していた「ようやくクリスマスっぽくなってきたね」っていう言葉は僕の心に突き刺さった。クリスマスが当たり前にきて、人が歩いているということ、もう、人が町を歩ける日がこないんじゃないかと思っていたから、その2人の言葉は嬉しかった。二人で楽しそうに会話をしている姿を見て、これからも東北を見ていきたい。関わっていきたいと思ったかもしれない…。
思ったかもしれないじゃないね。だって今、事実、ここに僕はいるんだから。