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内と外の着眼点で。
スタッフと一緒に
「東北の魅力」を創っていく。
貴子
一方で、今やスタッフの半数以上は東北出身の人たちなんです。東北が地元で、戻ってくるタイミングで働いてくれる人たちが多いです。就職していて、やっぱり「地元のために何かしたい」「地元が好きでいつか戻りたい」と思ったときに「東北のことやってる会社がある」と見つけてくれて、来てくれる方が多いかなと思います。
__私も店舗を何度か利用することがあって、木伏にあるトレジオン盛岡店で「おすすめは何ですか」と店員さんに聞いたときに、すごく詳しくいろいろ教えてくれたんですよね。
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やっぱりスタッフには、一番に東北を好きになってほしいなと思っています。実際、昔のようにみんなで現地に行って、体験とか取材に行けているわけではないのですが、自分でいろんなところを見に行ったり、自分で行ってみて聞いてきたものの方が、もっと気持ちも入って、お客さんにも提供できると思うんです。スタッフには、そういうのはどんどん行っていいよと言うようなことはしていますね。
東京にいる2年目の社員はホヤが大好きで、毎月自発的にお店でホヤのイベントを主催して、集客もしてメニューも作ったりとか、自分の出身地の名物の料理とか食材を使ってお店に出したりと、裁量をもって自由にやってもらっています。

当初のメンバーは、東北出身者っていなくて。僕らが直接、生産者さんやその土地に行って色々調べてきて、提供するというのもあったのですが、今は半分以上は東北出身者たちなので、それぞれの東北の好きなものでもいいし、出身地のものでもいいし、どんどんお店を使って東北の魅力を発信してもらえたらいいな、と思っています。課題もたくさんあるのですが、そういう環境づくりにも力を入れていきたいと思っています。
東北の人やモノが集まる
「港」のような場所を目指して。
__トレジオンの魅力を一言で表すならば。
貴子
東北の人とかモノ、コトが集まってくるような場所でありたいとは思ってます。
「東北と言えばトレジオンだよね」とか「トレジオンに行けば東北の何かワクワクすることが見つかる」とか、そういう場所になれたらいいなと思っていますし、そうなっていきたいなと思ってます。
政也
僕は「繋がり」ですね。トレジオンのスタッフ同士もそうですし、スタッフとお客さんとの繋がりももちろん大事ですし、全く知らなかったお客さん同士がトレジオンで繋がってくれるだとか、そういう繋がりを日々感じられる場所だと思います。
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政也
僕、よくスタッフに伝えていることがあって。それは「来て頂いた方にとってアットホームな場所であってほしい」ということです。来てくれるお客様全てに感謝して、数ある飲食店の中でうちを選んでくれていて、来てもらえるだけで僕はうれしいし、そういう人たちに「また来たいな」って思ってもらえる場所にしていきたいと思っています。

もともとずっと盛岡にいる方なんですけど、東京の出張のタイミングで赤坂の本店に来てくれたり、仙台にもよく通ってくれている方がいるんです。どんな場面でも、ずっと変わらず、応援してくれている。

お店をやっている中で、離れていっちゃう人もやっぱりいらっしゃって。うちが何か悪いことしたとかそういうのだけではなく、転勤とかもありますし。でも5年後にたまたま、また店に来てくれたとか。そういうのがあるとすごい嬉しいですね。まだ忘れないでいてくれたんだってなるぐらい。

港のような場所というか、ここに来れば、東北にまつわる何かしらと出会えるみたいな場所であればいいなと思います。
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トレジオンの、これからのこと。
「東北のファン」を
増やしながら、
みんなで走っていく。
始めはNPOの職員として東北の復興支援に携わっていました。「支援だけじゃダメだ」と思って、ビジネスなんてやったこともないのに、本当にその思いだけでお店を開けてしまったと言っても過言ではなくて。
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「やめておいた方がいいよ」「そんな簡単じゃないよ」とたくさんお声も頂きました。でも当時の僕はもう関係ないと思って、ホタテ焼いたり僕でもできるんじゃないかなと思って、前を向いて走ってきました。
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支援ももちろん大事ですが、やはり関心の風化というのは進んでいくわけで、一番の東北の復興への近道は「東北のファンを作ること」だと強く感じて、「東北の美味しいものを提供して食べてもらって、そして東北をまず好きになってもらいたいな」というそんな気持ちでトレジオンをオープンしました。

今は事業が拡大し、店舗事業部と地域創生事業部、珈琲事業部という3本柱でやっています。僕が思うトレジオンはただの飲食店ではないし、もっと広い意味で東北の魅力を伝えてファンを作っていく、その上で東北に新しい価値を作るというのを存在意義として掲げて、これからの10年をやっていきたいと思っています。

トレジオンに行くと、東北の美味しいものを食べられるだけじゃなく、東北のいろんな情報であったり、ストーリーであったり、いろいろなものに触れられる場所だと思ってもらいたい。
幹部のメンバーが東北出身ではないというのもあって、だからこそ新しい東北の魅力を作っていきたいと思うんです。トレジオンは、郷土料理を提供しているわけではないので...。
そういったものに期待して欲しいというか、今までの東北のイメージをいい意味で裏切るようなものを発信し続ける、そんな存在でありたいですね。

今後はメディアを作ったり、ビールの醸造を始めたり、観光事業を始めたりと、やりたいことがたくさんあります。それをちゃんと事業として落とし込んでいくためには、まずは僕が成長しないといけないので、これまで以上にいろんなことを勉強して、トレジオンが東北を背負っていける会社になれるように、僕は日々成長していくしかない、と思っています。
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この10年間、お客様とスタッフに支えられてなんとかここまで来れました。本当にいろんな面で助けて頂いて現在があるので、僕たちは会社として成長して東北に恩返しできるような、そういう事業をやっていくことが、応援してくださっている方々に対しての1番の恩返しだと思っています。そんな思いも背負いつつ、ここからの10年は更なるチャレンジをしていきたいと思っています。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!
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