夢を背負って来てほしい。それがここ、東北。
ある日、ラジオから流れてきた、何故「敗北」って敗北って書くのか?と。
「敗東」「敗西」「敗南」ではなく、なぜ「北」がつくのか?
敗北したら、北に行くのか?それはとても興味深かった。正直何かに負けてどこに行こうが自分の勝手。でも、なんで「北」と書いて「敗北」と読ませるのか、書かせるのか、確かにネガティブにとらえられるかも。まぁ、負けても大切なのは諦めないことだと僕はこの東北から教えてもらった。そんな東北に来る人達を温かく迎える人がここにいないとダメなんだと思っている。
移住して3年経つと役目も変わり、なんとなくコーディネーター色が強くなってきた。僕はそれが役目だと思うし、勝手に使命感で突き進んでいる。
ここ最近、たくさんの人が僕が暮らす岩手県花巻市大迫町を訪れ、交流を楽しんでいった。ぶどうの収穫がしたいから、わざわざ東京から足を運んでもらった友人もいた。でも、僕はたいしておもてなしはしてない。その友人には日常を見せただけである。その日常が首都圏から来る人にとって特別にうつる。それに憧れたのが東京暮らしをしていた僕だったし、この暮らしに憧れてここに来る人はおそらくまだいるだろうと思う。
僕は今年27歳となり、「30歳までに定住するかしないかを判断します」と高々に宣言したのは、地域おこし協力隊を卒業する今年7月のことであった。これは言ってみれば覚悟。だから時間はない。ぼちぼちもしてられない。
暮らしに憧れた青年をそこまで本気にさせてくれた東北。夢を追うことを許してくれたこの地域。だからそろそろ、「敗北」って言葉「北」って使わなくていいんじゃないかな?(笑)だってここはもっとポジティブに夢を背負って来る場所であってほしいし、そんな場所にしていかないといけない。こんなことを思えるようになったのは、たくさんの夢追う人達と楽しい日常のど真ん中にいるから。だからなにより幸せだ。
写真は今年を象徴する一枚。5月にぶどう農家となり、9月に収穫を終えた。大迫ぶどうに可能性しか感じなかった今年1年。栽培に関わっていただいた、全ての皆様に改めて大感謝です。僕は来年もここで生きていきます。
かんた